メディカルトレーナー部門に寄せられた作品紹介 1、医療現場にて 「見えている」それってほんとに見えている? 眼玉様/医師 作者解説:高齢者の自動車事故が多くなっています。判断力の低下もありますが、白内障の進行のように自覚できない視力低下もあると思います。眼科医はいち早く運転に不十分な視力低下に気づき、事故のリスクを下げたいです。 術後にて「美人ばかり」と経過良し 紫菊様/看護師 作者解説:手術を終えて通院されている患者さんがスタッフを見て、以前より見えるようになったことを「美人がこんなにいたとは」と冗談混じりに言われ、そうでしょう経過は良好ですねと返した場面を詠みました。 一歩前寄り添う勇気持ちましょう あやしい眼科医様/医師 作者解説:ロービジョンにあまり関わってこなかった眼科開業医としてロービジョンやブラインドの患者さんが受診しても戸惑うことが多いです。そんな時に、こんな気持ちを持ちたいと思って作った川柳です。 検査だけではなく日常よりそって こじま様/視能訓練士 作者解説:いつもおしゃれで素敵な患者さん。ふとみると靴の加工が激しく痛んでいた。覚えている服でコーデをしても劣化の判別は難しい。勇気を出してお伝えしたところとても喜ばれ、こんな話も出来る関係でよかったと思えた。 なにするの?触りたがりの好奇心 こごた様/医師 作者解説:お子さんの診察では「今日は何するの?」、「検査は痛いの?」とよく質問されます。そんな時は検査に使用する道具を直に触ってもらい「どこもとがってないでしょ」、「痛くないからね」と納得してもらいます。 視野検査ピカピカさんをやっつけろ ハピヨン様/視能訓練士、歩行訓練士 作者解説:ロービジョン児がしんどい検査でもゲーム感覚で楽しく検査が出来るよう工夫している日常を詠みました ロービジョン見える歓び分かち合う PD60様/視能訓練士 作者解説:ルーペや遮光眼鏡などの補装具の選定で、患者様が見えることを喜んでくれた時、私も患者様も嬉しい気持ちになる。 繋げたい今日はダメでもまた今度 わいわい様/看護師 作者解説:次に繋がる情報提供をしようとしても、聞き入れてくれない時があります。でも、諦めないでまた今度という気持ちで続けていきたいです。   久々の再診笑顔白杖と わいわい様/看護師 作者解説:AP術後にロービジョン外来を経て、訓練施設に紹介した患者さんが久しぶりに受診された時のこと。素敵な笑顔と一緒に、要らないと言っていた白杖と歩いて来ました。本当に嬉しい瞬間です。 最新の情報収集外来で ロー美女医様/医師 作者解説:最新のアプリや支援機器の情報は、ベテラン患者さんから教えていただいています。今やロービジョン外来再来枠は、こちらが情報提供してもらっている始末。当事者力に脱帽です。 この仔もねロービジョンにて犬にがて 山々様/医師 作者解説:盲導犬を連れて患者さんが外来に。先生、この仔も目やにが出てるようなんだ、見てくれない。犬の苦手な私は、腰が引けて、人間しかわからないので。ではなく犬怖いんですと釈明。 2、訓練、患者会、趣味の現場から こえていく心とスキルで笑顔くる 石川佳子様/訓練施設講師 作者解説:点字が読めてもパソコンができても白杖がうまく使えてもそれだけじゃ笑顔は生まれない、心のケアが大事だと訓練の皆さんから教えられます。 本音出る交流会で患者知る 守本典子様/医師 作者解説:眼科の視覚リハ外来で患者さんの困り事を伺ってはいますが、交流会に参加していただくと更なる悩み(最も苦しく思っておられる気持ち)が吐露されることがあり、「なるほどそうか・・・」と深く考えさせられます。 見えずとも触れればわかる落ち着いて 袋小路実篤様/訓練施設講師 作者解説:見えない、見えにくいことでの不自由さはわかるのですが、残された感覚を利用すれば案外色々なことがわかるもの。「僕も全く見えませんが触ればわかりますよ落ち着いてよく触ってみて」と諭すことが多いので。 ブラインドヨガすると、ブライトに 加茂純子様/医師 作者解説:閉じこもっていた方が、ヨガに参加すると、明るい笑顔が溢れてきます 3、社会に訴えたい! 命がけ道路横断駅利用 ゴールド様/歩行訓練士 作者解説:視覚障害の方が外出することは、危険が伴います。特に道路の横断や駅の利用は、見える方からのサポート(声掛け)が欲しいです。 歩行訓練士絶滅危惧種も保護は無し 字あまり訓練士様/歩行訓練士 作者解説:地域のよっては歩行訓練士の配置事業(視覚リハ事業)が消滅したり、欠員補充がなかったり。まさに絶滅危惧種。しかし希少生物と違って社会的保護はほとんどなく、いくつかの地域で絶滅寸前である。 白杖とスマホ歩きはロービジョン 因伯国九三様/医師 作者解説:スマホロービジョンという言葉を広めてたい。視力指数弁、視野10度で、歩く・走る・漕ぐ・運転する危険極まりない人達です。自己中心的、無責任の心の問題を抱え。さらにエアポッヅ(AirPods)聾の合併も多く見られます。 これでどう?音響式の信号機 守本典子様/医師 作者解説:音響式信号が近隣住民の騒音問題から夜間は止まったり設置されなかったりする実態を憂いています。歩く方向の指標にならずとも青がわかる音量調整で解決を図っていただきたいと思っています。 制度あるヘルパーいない同行援護 ゴールド様/歩行訓練士 作者解説:同行援護などの移動支援のための行政サービスは、全国統一で制度はありますが、有資格のヘルパーさんが大変少なく、サービスを使えないことが多いです。 4、風物詩となりつつあるコンクール・・・ (事務局より) 5回目を開催することが出来、少しずつ”季節の催し”のようになってきたのではと感じています。 そんな中での一句:『川柳で一年間を振り返り(わいわい様/看護師)』 は、自分のしてきたロービジョンケアやうれしかったことを思い出し、いろいろ考える大切な時間になっています、とのコメントとともに寄せられました。 事務局として大変うれしく、次回への更なる励みとなりました。