| Brand Story
ブランドを描くということ
ブランドストーリー
商品開発部 /
1998年入社
増井さん
「鯖江」の伝統を、現代の「感動」へ。
1年がかりの“ものづくり”で描く、
パリミキブランドの真価。
パリミキの商品開発部で約20年にわたり、
主に日本製のパリミキオリジナルの
プライベートブランド開発を牽引してきた増井さん。
世界的なメガネの聖地・福井県鯖江市に自社工場を持つ
パリミキだからこそできる、
高品質かつコストパフォーマンスの高い商品づくり。
そこには、効率化が進む現代においてもあえて
「手間」と「情熱」を惜しまない、
職人たちとの深い絆がありました。
トレンドの最先端を行く『DIGNA Classic』から、
機能美を追求した『鯖江光器』まで。
ブランドの裏側にある
“ものづくり”の魂について語ってもらいました。
01
パリミキのブランド戦略
多様なニーズに応える
「製販一体」の強み
自社工場があるから、挑戦できる。
ファッションから機能性まで、
幅広い世界観を描き分ける。
私の仕事は、パリミキのオリジナル商品の企画・開発です。現在は全商品のうち、国内の自社工場(福井県鯖江市)で製造する商品ラインを中心に担当しています。パリミキでは現在、様々なブランドを展開していますが、私たちが目指しているのは、幅広いお客様のニーズに深く刺さる商品展開です。
例えば、ヴィンテージデザインを現代の技術で再現した『DIGNA Classic(ディグナ クラシック)』は、ファッション感度の高い若年層に向けたブランドで、渋谷や原宿エリアで高い支持を得ています。一方で、『鯖江光器(さばえこうき)』は、自社工場が持つプレス技術を活かして、機能性を極限にまで高めたブランドで、百貨店を含め広く展開を行い、良いものを長く使いたいという層に愛されています。
2011年にグループ内に自社工場を持ったことで、私たちは単なる「小売」から「製造小売(SPA)」へと進化しました。自分たちで図面を引き、プロトタイプを作り、製造まで一貫して管理できる。この環境こそが、こだわりのブランドを生み出す土壌となっています。
02
ものづくりの舞台裏
1本のメガネに込められた
1年分の情熱
200以上の工程と、
職人との対話。
「見えない価値」を作り込む仕事。
皆さんが普段何気なく手に取るメガネですが、実は完成までに途方もない手間がかかっています。特にメタルのフレームは、部品のプレスや溶接、磨きなどを含めると約250〜300もの工程を経て作られます。現在、開発期間は企画から完成まで約1年。決して短い時間ではありません。
なかでも私たちがこだわっているのは「金型(かながた)」です。新しいデザインを作るための金型は、1つ作るのに数百万円かかることもあります。一見高いコストに見えますが、パリミキには全国約600店舗という販売網があります。大量に生産することで1本あたりのコストを抑え、「他社なら数万円高く設定される品質のものを、適正価格で提供する」ことが可能になります。これが、スケールメリットを持つパリミキならではの「良いものを安く」のからくりです。
しかし、良い図面があれば良いメガネができるわけではありません。鯖江の工場は、今も多くの工程が職人の手作業で行われています。だからこそ、私が月1回は必ず現地へ足を運び、職人さんと膝を突き合わせて「こういうニュアンスを出したい」「この色はもっとこうしたい」と細部を詰めていきます。微妙な色味や磨きの加減は、データだけでは伝わりません。最後は「人対人」の信頼関係が良いものを作るのです。
03
開発者のやりがいと葛藤
市場の「声」と、
作り手の「意志」の間で
「売れるもの」と「作りたいもの」。
その両輪を回し、
お客様の心を動かす。
商品開発の難しさは、マーケットのニーズ(市場の声)とプロダクトアウト(作り手の意志)のバランスにあります。お客様の声を聞くことはもちろん重要です。しかし、今あるニーズだけを追っていては、画一的な商品ばかりになり、新しい感動は生まれません。時には「1950年代のこのデザインを復刻したい」といった、開発側の強い想いを形にして世に問うことも必要です。
苦労して取り組んだ商品がようやくできあがり、検品で完璧な仕上がりを見た時はやはりテンションが上がりますね。以前、CMを展開した『style J』というブランドでは、日本の技術の素晴らしさを伝えるために奔走し、結果として多くのお客様に反響をいただきました。男性向けに開発した機能性商品が、見せ方を工夫することで女性にもヒットするなど、マーケティングとうまく噛み合った時の喜びはひとしおです。
04
パリミキの未来と求める人物像
「本物」で生き残る、
これからの時代へ
安売り競争ではなく、
「質」で選ばれる未来へ。
情熱を持ち続けられる仲間を
待っています。
これからのメガネ業界は、低価格で大量消費される商品と、高品質で付加価値の高い商品に二極化していくと考えています。人口減少が進む日本において、パリミキが目指すのは後者です。AIやITが進化しても、メガネには「視力補正」という機能を持つ側面があり、一人ひとりの顔に合わせるフィッティングが必要です。だからこそ、私たちは「丁寧な測定」「確かな調整技術」、そして「所有する喜びを感じられる高品質なフレーム」を掛け合わせ、本質的な価値で勝負していきます。
学生の皆さんに期待するのは、「ものづくりに興味を持ち続けられる情熱」です。開発スパンが長いこの仕事では、一瞬のやる気だけでは職人さんに見透かされてしまいます。「この人のためなら良いものを作ってやろう」と職人さんに思わせるような、熱意と誠実さを持った方と一緒に、次の時代のパリミキブランドを作っていきたいですね。
Brand List
ブランド一覧
それは、時の流れをものともせず
継承されてきたアイウェアへの
色あせることのないオマージュ。
そのスタイルは、日本の職人による技巧や丁寧な手仕事により細部まで極められ、揺るぎない気高さを醸し出す。掛ける人に、懐かしくも新しい感覚を抱かせる。流行を追うことも、追われることも、もう必要ない。大人だからこそ楽しめる自由と品格がそこにある。