「聞こえ」について
日本の難聴者は1250万人と言われ、うち補聴器を装用しているのは15.5%、約200万人です。
補聴器は、コミュニケーションを円滑にしてくれる道具です。まずは難聴について知り、自分に合った補聴器を選んでください。
聴力の低下はなぜ起きるのか
視力、体力と一緒で、歳を重ねるごとに聴力低下は誰にでも起こります。
聴力の低下は特別なことではなく、30代からに既に始まっています。加齢により一度落ちた聴力は、基本的に戻ることはありません。
難聴の種類
難聴には「伝音難聴」と「感音難聴」の2種類と、その両方が原因となる難聴の「混合性難聴」があり、大きく3つに分類されます。
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伝音難聴 〈 音を伝えるところ の障害 〉
中耳炎や鼓膜の損傷、耳あかづまりなどが主な原因です。音を内耳に伝える部分の機能低下による難聴です。医学的治療が可能とされています。
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感音難聴 〈 音を感じるところ の障害 〉
中耳からの音の振動を電気信号に変換する内耳、その信号を脳の中枢に伝える聴神経あるいは、脳に生じた障害のために起こる難聴です。加齢による難聴も感音難聴の一種です。
内耳、聴神経、脳は届いた音を分析し、脳と共同で「聞きたい音」や「聞きたくない音」など意思を含めた処理が行われます。これらの機能の障害による難聴は音を増幅して伝えるだけではうまく聞こえませんので、補聴器も音質や音の出し方を細かく調整しなくてはなりません。加齢による難聴:人は誰でも加齢とともに聴力が衰え、高い音から徐々に聞こえにくくなり、周囲に雑音があると、さらに言葉の聞き取りに支障が生じます。
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混合性難聴 〈 音を伝えるところと感じるところ の障害 〉
伝音難聴と感音難聴の両方の原因を持つ難聴です。
年齢別の聞こえ方
音が聞こえにくくなるのは、自然なことです。
年を重ねることで起こる聴力低下は、特別なことではありません。ほとんどの場合、高い音から少しずつ聞こえにくくなり、70代では会話の聞きとりまでも困難になることがあります。
聴力の低下が進むとどうなる?
- コミュニケーションをとるのが億劫になってきます
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- 聞き取りの低下
- 注意力の低下
- 疎外感を感じる
- イライラ、ストレスなどの情緒不安定、など
- 誤解を招くことがあります
- 聴力の低下は目に見えないので、周囲の方からの理解も得られにくく、「話かけても返事がない」「無視された」など誤解を招くことがあります。
- ※重要※ 言葉を聞き取る力が低下します
- 聞き取りにくくなることに慣れてしまうと聴力の低下につながる可能性もあります。
聞き取りにくい言葉の例
1時 | → | 7時 |
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い ち じ | し ち じ | |
i chi ji | shi chi ji |
広い | → | 白い |
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ひ ろ い | し ろ い | |
hi ro i | shi ro i |
魚 | → | 高菜 |
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さ か な | た か な | |
sa ka na | ta ka na |
コミュニケーションをとるのが億劫になってきます
聞こえに不安を感じたら、できるだけ早く対処することをおすすめします。
日々音を聞くことで脳は刺激を受けています。
聴力の低下はコミュニケーション意欲の低下にもつながります。
補聴器を装用することで、脳へ刺激を届け、笑顔あふれるいきいきとした豊かな生活を送る助けとなるでしょう。