人気サングラスブランドレイバン(Ray-Ban)誕生のStory
2021.06.14
サングラスの代名詞ともいえるレイバン(Ray-Ban)は、創業から変わらぬ人気を誇り、現在でも多くの人から親しまれています。実は80年以上の歴史をもつ老舗ブランドの一つであるレイバン(Ray-Ban)。その歴史を紐解きながらブランドの魅力をご紹介したいと思います。
世界最高峰のサングラスブランドである「レイバン(Ray-Ban)」は、ジョン・ジェイコブ・ボシュとその友人のヘンリー・ロムが創立したボシュロム社によって生まれました。二人が最初に始めたのは小さな眼鏡店でしたが、あるときボシュが道ばたで見つけた硬質ゴムからヒントを得たことで、状況は変化していきます。
ボシュは、軽くて丈夫な硬質ゴム製でメガネフレームを作ってはどうかと考え、その開発に成功します。このフレームのメガネが、使いやすいと高く評価され、ボシュロム社の名は一躍有名になりました。やがて光学分野にも進出したボシュロム社は、顕微鏡や写真用レンズなどの製造も行うようになります。
1900年代になり、ボシュの息子であるエドワードやウィリアムへと世代交代が行われます。ウィリアムが製造に成功した高品質の光学ガラスの誕生で、それまでヨーロッパの輸入品に頼っていたものが、自社でさらに高品質なものを生産可能になりました。
その技術は、航空機に取り付ける測量カメラレンズやパイロット用のゴーグル、またサーチライトグラスなど、アメリカ政府の目にもとまるような製品へと発展していきます。
そしてこれがRay-Banサングラス誕生のきっかけとなったのです。
第一次世界大戦を経験することとなる1900年代初頭。先進の技術は艦隊や航空機のさまざまな部分に注ぎ込まれていきました。ボシュロム社も精度の高い光学機器を開発し続け、やがてアメリカ政府からの依頼が増えるようになります。
開発まで6年の歳月を要し完成したのは、ボシュロム社オリジナルデザインの「ティアドロップ・シェイプ」。このデザインは、人が目で見る範囲をカバーできることから、従来のゴーグルの問題点となっていた視野の確保も可能にしました。強い紫外線をも遮る緑のレンズ「レイバン・グリーン」で、しっかりと目を守ることができます。テンプルとモダンがまっすぐなため、ヘルメットをかぶったまま着脱しやすいのも特徴でした。機能性だけでなくデザイン性も兼ね備え、完成の翌年となる1930年にアメリカ陸軍航空隊がこれをアビエーターとして採用します。
Ray-Banブランド誕生となるのはその7年後、1937年のことです。
「光を遮る」という意味のあるRay-Banをブランド名にし、さまざまなモデルを発表していきます。その中でアビエーターは現在も顕在している人気のモデルです。アイコニックなデザインは、ファッションや映画界にまで影響を及ぼし、一般販売されて以降、レイバンを代表するモデルとして50年以上たった現在でも、その人気は衰えていません。
「ウェイファーラー」は、レイバンのサングラスで最も有名な定番モデルで、1952年に誕生しました。レイバンが初めて開発したプラスティックフレームのモデルとして、セレブリティやアーティスト、ファッショニスタから注目を集め、時代を超越し愛されて生きた象徴的なサングラスです。さまざまな顔の形に似合うウェリントンシェイプも、幅広く支持を集めている理由といえます。
プラスティック素材は染色しやすいため、カラフルなフレームも展開。ロックミュージシャンが反体制精神の象徴として着用するなど、多くのアーティストが使用することで幅広い層を虜にしてきました。一時的に市場から姿を消していたものの、2006年にリデザインされた「ウェイファーラー」は、2007年、55年ぶりに復活をとげます。さらに2年後にはアップデートモデルが展開され、それを皮切りに、折りたたみ式や少し小ぶりな「ニューウェイファーラー」も誕生しました。
二人の青年が始めた眼鏡屋から一大企業にまで発展したボシュロム社は、アビエーターの開発に携わったことがきっかけで、Ray-Banという後世に続くサングラスブランドを立ち上げることになりました。アビエーターやウェイファーラーなど多くのロングセラーを輩出し、現在では世界中の幅広い世代に支持されています。
長く歴史が続いても、機能やスタイル、素材に対するこだわりは今も変わることはありません。だからこそRay-Banは、変わらず長く愛され続けているのです。