メガネ(眼鏡・めがね)のPARIS MIKI

メガネを大切に、長く使うために。気が付いたら行いたい、メガネの洗い方・メンテナンス方法

2021.08.23

フレーム レンズ

「日頃からメガネの状態をこまめにチェックする」という人は、あまり多くはないかもしれません。でも実は気付かないうちに、レンズのすみに汚れがたまったり、左右のツルが歪んだり、ネジが緩んだり……と、メガネにもダメージが溜まっていきます。

大事なメガネをできるだけ長くキレイに使い続けるためには、日々どのようなお手入れが必要なのでしょうか。正しいクリーニング方法や、取り扱いの注意点まで、詳しいメンテナンス方法を紹介します。

メガネの使用頻度は人それぞれ違いますが、「直接肌に触れる」という意味では、洋服と同じようなもの。服と同じように皮脂や汗に触れていると考えると、できる限り頻繁にクリーニングをはじめとしたメンテナンスを行うのが理想です。毎日行う必要はありませんが、適切なお手入れを行うことによってメガネは長く、快適に使えるようになります。

メガネのフレームには、金属やプラスチックなどが使われています。皮脂や汗、化粧品や整髪料などの汚れを長時間放置することで、プラスチックのフレームは変色したり、本来のツヤがなくなったりしてしまうことも。また、フレームの傷に汚れがたまることで素材が腐食するなど、破損のリスクも高くなります。

メンテナンスを怠ることで一番起こりがちなのが、メガネの「型崩れ」です。メガネはデリケートなため、落としたり、ぶつけたりするなど過剰な力が加わると、フレームがゆがんでしまうことがあります。すると、適切に調整されていた目とレンズとの間の距離や、角度が変わり、正しい矯正視力が出なくなったり、目が疲れやすくなったりしてしまうのです。一枚に複数の度数が入る設計の遠近両用メガネや、乱視用メガネについては、特に注意が必要です。

メガネのクリーニング方法として一番避けるべきなのが、洋服のすそやハンカチ、ティッシュなどでそのままレンズを拭いてしまう「乾拭き」です。ついついやってしまう行為ですが、乾拭きはレンズやメガネ拭きに付着したほこりを、そのままメガネの表面になすりつけるようなもの。レンズに細かな傷をつけてしまうこともあります。専用のクリーナーを使い、以下の手順で適切にクリーニングを行うようにしましょう。

【用意するもの】
メガネ専用のクリーナー、ティッシュペーパーや清潔なメガネ拭き

【手順】
① 水で、メガネの表面のほこりやゴミを洗い流す。
② レンズの両面にメガネ専用のクリーナーをスプレーする。一緒にフレームにもふきかける。
③ クリーナーを指の腹で優しく伸ばし、表と裏、レンズ全面にクリーナーをなじませる。皮脂汚れのつきやすい鼻パッドや、フレームのモダン(先端部の耳あて)も汗や整髪料で汚れやすいため、一緒にクリーナーで洗う。
④ 洗い流しが必要なシャンプータイプのクリーナーを使っている場合は、クリーナーを水道水ですすぎ、ティッシュペーパーで水滴をしっかり拭き取る。洗い流し不要のクリーナーの場合は、ティッシュペーパーでクリーナーの水分をしっかり拭き取る。
⑤ 仕上げに、清潔なメガネ拭きでレンズとフレームを拭きあげる。

【注意点】
・レンズは熱に弱いため、お湯ではなく必ず水で洗浄するようにしましょう。
・クリーナーは、洗い流しが必要なシャンプータイプとそうでないタイプで仕上げの段取りが少し異なります。お持ちのクリーナーはどちらのタイプか、改めて確認するようにしましょう。
・レンズを扱う際に、触れているレンズと反対側のレンズやフレームを持つと、メガネが歪んでしまうことがあります。作業しているのと同じ側のレンズ、もしくはフレームを持つようにするのがおすすめです。
・基本的に専用クリーナーは鼻パッドやフレーム部分にも使えるものの、特殊な素材のフレームやレンズのコーティングによっては使用できない場合があります。事前に確認するようにしましょう。

1日1回クリーニングを行うのが理想的ですが、難しい場合は特に汚れが気になった日に行いましょう。

徹底的にキレイにしたいという人には、家庭用の超音波洗浄機もおすすめ。超音波によって発生する微細な泡が、メガネとレンズの間に入った細かい汚れも落としてくれます。

クリーニング中にレンズのガタつきなどの不具合を感じた場合、一度「ネジ」を確認してみましょう。フレームとレンズを留めるためにネジが使用されている場合があり、ここは特に見落としがち。このネジが緩んでいると最悪レンズの落下・破損に繋がることもあります。

メガネに使用されているネジはとても小さく繊細なもの。専用のドライバーで締め直すことも可能ではあるものの、力を入れすぎてフレームが歪んでしまったり、ドライバーがすべってレンズに傷をつけてしまったりするケースも少なくありません。可能であればメガネ店に持参して締め直してもらうのがおすすめです。

デリケートなメガネを長く使い続けるためには、丁寧に取り扱うことはもちろん、適切に管理・保管することが必要不可欠です。長持ちさせるための保管方法や、やってしまいがちでもNGな使い方をあらためて確認しておきましょう。

メガネを着脱するときは、両手で左右のフレームを持って、顔の正面から行うようにしましょう。片手のメガネ着脱は、左右のツルに無理な力がかかってしまうため、フレームのゆがみの原因になります。

外したメガネを机の上や枕元に放置していると、落としたり踏んづけたりして破損の原因になります。使っていないときは必ずケースに入れて保管しましょう。頻繁に外す場所に、パッと入れられる縦型のケースを置いておくのもおすすめです。

メガネのレンズは高温が苦手です。そのため、車のダッシュボードなど、高温かつ直射日光が当たる場所に置くのはNG。また、長時間ドライヤーの風にさらしたり、サウナや温泉施設などで着用したりするのも避けましょう。

メガネをちょっと外したいときに、頭の上に乗せたり、シャツのポケットや胸元に引っ掛けたりする癖はないでしょうか。ツルの歪みや擦れによるレンズの傷の原因になりますので、避けるようにしましょう。

クリーニングの際に使用するメガネ拭きにも、ほこりや皮脂などの汚れが付着しています。汚れたメガネ拭きでレンズを拭いても、当然キレイにすることはできません。定期的にメガネ拭きも洗濯して、清潔に保つようにしましょう。

メガネ拭きは繊細な素材(マイクロファイバー)を使っているため、手洗いでの洗濯がおすすめです。40度程度のぬるま湯に少量の中性洗剤を溶かし、優しくもみ洗いをします。洗ったあとは、洗剤のすすぎ残しがないように注意しましょう。

手間を掛けずに洗いたい場合は、洗濯機でもOK。洗濯ネットに入れて、漂白剤や柔軟剤は使わずに洗濯します。

メガネを正しく取り扱い、保管することができていれば、汚れや型崩れのリスクもぐっと減らすことができるはず。一つひとつは小さなことかもしれませんが、日頃から忘れないようにしたいですね。

当たり前のように生活に馴染んでいるメガネ。ついメンテナンスを後回しにしてしまうという人も多いかもしれません。日常に欠かせないアイテムだからこそ、しっかりお手入れをして、できるだけ長く使えるようにしたいものです。

パリミキの各店舗では、クリーニングを始め、自宅では難しいネジ調整や鼻パッドの交換といったオーバーホールを無料で行っています。クリーニングについては、他店で購入された商品にもご対応いたします。ぜひ気軽に店舗に足を運んでいただき、定期的にメンテナンスを行ってくださいね。

(取材:文=波多野友子/編集=ノオト)

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