メガネ(眼鏡・めがね)のPARIS MIKI

「Made in Japan」のメガネを支えるメガネメーカー クリエイトスリーとは

2021.07.19

フレーム その他

世界でも最も品質が高いといわれる日本製のメガネ。そのメガネの約95%は福井県で作られ、その産地のなかでも中心といわれるのが鯖江です。
パリミキのグループ会社には、鯖江の歴史あるメガネメーカー「クリエイトスリー」があります。今回はこのクリエイトスリーの高い技術力についてお伝えいたします。

世界の有名ブランドからも製造の依頼がはいるほど、評価されている日本製のメガネ。クリエイトスリーはその日本製のメガネのなかでも中心地といえる福井県鯖江市にあるメガネメーカーです。
クリエイトスリーの前身である「福井光器」の歴史は1917年までさかのぼることができ、元々はメッキ加工業から始まった事業でした。やがて眼鏡枠の製造を行うようになり、高度な製造技術をもって、中小企業センター賞やグッドデザイン賞など、数々の賞を受賞しました。
しかしながら、眼鏡業界全体の低迷に伴い経営が悪化。やむなく「福井光器」は事業継続を断念することになります。

しかし、その高い技術力に着目したパリミキホールディングスが事業を受け継ぐことを決断し、「クリエイトスリー」として再出発することになります。
長い歴史のなかで培った高い技術は現在でも失われず、デザイン提案から金型作成、部品製造から組み立て、枠の表面処理から最終仕上げまで、ほぼ全工程を社内で一貫生産することができます。
分業制が進んでいるメガネ業界のなかで、高い提案力と技術力をもって生産できる工場として日本製メガネを作り続けています。

より高品質なメガネを作るために、当時は一部で使われているだけだったチタンを、世界で初めてフレームの素材として商品化したのがクリエイトスリーの前身「福井光器」です。いまではチタンフレームはフレーム素材の基本になっています。さらにクリエイトスリーは、その高い技術力を継承し、2001年には新素材のゴムメタルを使った眼鏡枠、翌年には直彫り金型加工法の導入など、最先端技術を取り入れた数々のメガネを世に送り出してきました。こうしたメガネ製造の高い技術力がいかんなく発揮されているのが「PARIS MIKI Authentic Eyewear 」、「鯖江光器」、「styleJ」といったMade in Japanのブランドです。
0.01ミリの精密さにまでこだわる職人の技術が生かされたメガネです。

クリエイトスリーのメガネづくりの背後には、日本でメガネを販売してきたパリミキならではのこだわりがあります。クリエイトスリーが手掛けた「StyleJ」に関して、パリミキの商品開発担当者にお話を伺いました。

「技術開発の際に苦労した点は、素材選びをネジ1本まで日本製にこだわったことです。ハイクオリティな製造工場での仕上げを目指すため、協力工場へと実際に何度も足を運び、部品作りに関わる方と調整を繰り返しました。その結果、妥協ないデザインが完成したと自負しています。工場との調整は時には困難なこともありましたが、メガネの町鯖江の技術力と、工場の多大なご協力があってこそ実現できた製品だと思います。
100年を超える歴史をもつメガネの産地、鯖江には、過去に生まれ現在まで継承されている優れた技術が数多くあります。新しいアイデアはその技術の中から生まれます。古くからの技術をどのようにアレンジすれば、今の世の中に受け入れられるかを考えます。歴史ある技術に最新の流行を取り入れ、デザインを完成させています。」

日本製のメガネフレームには、日本の職人だからこそできる、きめ細やかな配慮を払っています。
例えば、レンズの重さはお客様の視力や素材によって様々です。そのためどのようなレンズが入ってもバランスが取れるメガネを作るため、新しいパーツのための型を起こすところから始めました。フレームの重心を後方に持っていくような作りにしたことで、レンズの重みでメガネが滑ることを防いでいます。
また実用性に加え、デザインにもこだわっています。顔に直接掛かるアイテムなので、まずデザインが整っていることが大切です。そのデザインを構築する上で最適な構造、素材は何か、今の時世にあった造形、カラーリングであるかどうかなどを意識しながらフレームが開発されています。

メガネを作るためには、多いもので200を超える製造工程があります。パリミキグループのメガネ工場「クリエイトスリー」には、それぞれの工程において、熟練した専門の職人がいます。メガネの品質を支える3人の職人に、メガネづくりのこだわりについてお聞きしました。

プレス加工を担当している26年の吉田健二さん(職人歴26年)
「この仕事をしていてやりがいを感じるのは、プレスパーツが思い通りの形に仕上がったときです。同じ金型を使用したからといって同じパーツができるわけではなく、プレスの型合わせの仕方でパーツの仕上がりが違ってくるので、そこが腕の見せ所です。一人前になるには経験を積み、妥協しないことが大事です。」

バレル研磨担当 白崎茂夫さん(職人歴45年)
「バレルという機械の中に製造部品と研磨剤、水を入れてピカピカに磨き上げます。研磨剤の量、研磨時間に細心の注意を払っています。昔はメガネの枠の素材がセル(プラスチック)がほとんどだったのですが、時代の移り変わりによりメタル枠全盛期を迎えました。それに伴い研磨の方法も変えていく必要がありました。私は試行錯誤しながら、メタル枠バレル研磨工程を新たに立ち上げました。失敗を重ねてもチャレンジし、経験を積むことを心がけています。」

枠磨き担当 奥村達夫さん(職人歴45年)
「メガネの枠の素材がセルからメタルへと移り変わっていった頃から、バフ研磨という磨きの工程を担当しています。当時バフ研磨の指導者がいなかったため、独学で技術を習得しました。枠の形状を一定にすることと、怪我をしないことに気を付けています。思い通りの研磨ができた時にはやりがいを感じますね。職人歴45年を迎えましたが、今もまだ一人前になったとは思っていません。日々努力がモットーです。」

このようにして出来上がったメガネは、さらに一本一本手作業で研磨、調子取り、検品作業を行っていきます。そのような工程を経てお客様の手元に届きます。クリエイトスリーでは、メガネの町・鯖江に伝わる匠の技を大切に守る一方、3Dソフトウェアを自社開発し、デザイン画の作成や試作品の作成をすべて自社で行う開発力も併せ持っています。古くから受け継がれる技術に最新の技術を加え、クリエイトスリーのメガネ作りは進化を続けています。大量生産が主流になった中でも、クリエイトスリーはメガネの「掛け心地」を追求し、魅力あるメガネを生み出し続けます。

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