メガネの掛け心地の良さは、素材で決まる?
知っておきたい、メガネフレーム素材の特徴とその違い
2022.01.10
メガネの掛け心地の良さを決める条件のひとつに、フレームの素材があります。現在日本で流通しているメガネフレームの代表的な素材は、メタルとプラスチックの2種類です。さらに、メタルフレームの中でも、チタンや合金など、より細かく種類が分かれていて、素材の弾力性や硬度によって掛け心地が異なります。
自分自身にとって掛け心地のいいメガネに出合うために、メガネフレーム素材の特徴やその違いについてご紹介します。
メガネフレームには、様々な種類の素材があります。ゴールドや鼈甲、バッファロー・ホーンなどの希少な素材を使ったフレームもありますが、現在はメタルやプラスチックが一般的です。素材によって弾力性や硬さなどの特性が異なるため、フレームの素材がメガネの掛け心地にダイレクトに影響するとも言われています。例えば、チタンであっても素材にABCなどのランクがあり、同じ加工を施した場合でも、仕上がりに違いが生じることもあります。掛け心地の良いメガネを作るためには、素材に着目することが大切です。
現在メジャーなメタルフレームを分類すると、「チタン」「合金」の2種類があります。中でも、「純チタン」は一番メジャーな素材とされており、耐腐食性が高く、軽量なのが特徴。1981年に、福井県鯖江市にあるパリミキの自社工場が、世界で初めてチタンをメガネフレームに使い製品化しました。
チタンの工程数は約200〜300と言われており、なんと自動車と同じくらいの工程数を踏んで製造しています。
棒状のチタンを機械に通し、細かく叩きながら強度を上げる「スエージング」や、チタンに何度も圧力をかけて密度を高め、しなりを出す「プレス加工」など、その工程はほとんどが技術力の高い職人の手作業で行われています。素材の特性に熟練の加工技術が合わさることで、より掛け心地の良いメガネを作ることができます。鯖江の各工場は、チタン加工においても世界トップクラスの技術を誇っています。
純度の高い高品質なチタンをパリミキのオリジナルブランドでは積極的に採用しており、厳選された素材を、鯖江の世界最高峰の生産技術を持って、様々な加工を経て生み出される独特なしなりを生み出し、快適な掛け心地を追求しています。
メガネは毎日掛け外しをするため、しなり具合はメガネの寿命にも関わる重要なポイントです。硬ければ硬いほどしなりは悪く、掛け心地が悪く、掛け外す度にフレームが広がってしまったり、ネジ部分の噛み合わせが悪くなったりと、不備が生じやすくなります。
超弾性合金は、チタンとニッケルをかけ合わせた、超軽量と弾力性を兼ね備えた素材です。チタン等、他のメタルフレームよりも比較的高級な素材です。
プラスチックフレームは、大きく「超弾性樹脂」「セルロイド」「アセテート」の3種類に分類されます。
フレーム1本1本に対して加工が必要なメタルフレームに対して、多くの超弾性樹脂のフレームは金型に素材を流し込み製造(インジェクション成形)を行います。そのため、デザイン形状が安定し、大量生産に向いています。
セルロイドは、樹脂、アセテートよりも硬く、独特の質感が印象的な素材です。
その特徴は、職人の磨き上げによって高級感のある美しいツヤが生まれること。フレームが汚れて光沢が失われてしまうこともありますが、お店で定期的に磨いてあげることで、セルロイドならではの「ツヤ」を維持することもできます。
素材の基本的な性質はありますが、加工を行う職人の技術やレンズとフレームのバランス、店頭でのヒアリングやフィッティングの技術などを含め、トータル的に掛け心地を追求するのがパリミキのスタイルです。
ぜひ気軽に店舗に足を運んでいただき、スタッフにご相談ください。
(取材:文=ユウミ ハイフィールド/編集=ノオト)