補聴器選びで失敗しないために、知っておきたい8つのポイント
2025.08.18

補聴器を購入する際には、どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか? 毎日使うものだからこそ慎重に選びたいですよね。
今回は、安心して補聴器を購入するために知っておきたい8つのポイントを紹介します。購入を検討している方、ご自身や家族の耳の聞こえに不安がある方はぜひ参考にしてみてください。
① まずは、医療機関に相談する

聞こえにくさを感じたら、まずは「聞こえにくさの原因」を把握することが大切です。
- テレビの音量が大きくなった
- 相手の言葉を聞き返してしまう
- 聞き間違いが増えた(「かとうさん」と「さとうさん」の聞き分けができない等)
- 大きい声で話すことが増えた
- 電子レンジなどの音が聞こえにくくなった
- 後ろから来るクルマの走行音が聞こえない
などのサインを感じたら、医療機関(耳鼻咽喉科)に相談してみましょう。
何が原因で聞こえにくさが出てきているのか、また耳の病気はないか、治療が必要なことがないか等を確認し、医師が「必要」と判断した場合には「補聴器選び」がスタートします。
② 認定補聴器技能者がいるお店を選ぶ
補聴器購入の際は、ご自身の耳の聞こえや生活スタイルに合わせた的確なコンサルティングを受けることが大切です。購入する際には補聴器のプロである「認定補聴器技能者」がいるお店を選びましょう。
③ 通いやすいお店で購入する
せっかく購入した補聴器を「合わない」「心地よく聞こえない」という理由で使わなくなってしまってはもったいないですよね。そうならないためには、定期的なメンテナンスや調整が必要です。
また、毎日使うものだからこそ、故障やトラブルが起きたとき、すぐに相談ができるとうれしいもの。こうした点を考慮して、自宅や職場の近くなど、通いやすい店舗で購入しておくとよいでしょう。
近年では非対面で購入する方法もありますが、快適に使うことを踏まえ、アフターフォローが充実した対面接客のお店を選ぶと安心です。
④ 補聴器は慣れるまでに2〜3か月かかることを知っておく
メガネの場合、かけた瞬間からはっきり見えると実感できることが多いですが、補聴器の場合、馴染むまでには少し時間がかかります。
長い間、聞こえにくい状態だった人は、ずっと静かな環境にいたような状況といえます。補聴器を使うことによって、さまざまな音の情報が入ってくるようになると、最初のうちは脳が情報を処理しきれず、違和感やストレス、疲れを感じることがあります。補聴器は、少しずつ慣らしていく必要があると理解しておきましょう。
早い人では2か月、遅くても3か月ほどで、少しずつ音の刺激に順応していくといわれています。それまでの間は特にこまめに店舗へ通い、聞こえ具合をチェックしてもらうと安心です。
⑤ 装用シーンを想定しておこう

補聴器の「装用シーン」を具体的に想定しておきましょう。
例えば、静かな部屋で使用したい場合と、会議や仕事で多くの人の発言を聞き取りたい場合では、選ぶ補聴器が変わってくる可能性があります。また、普段よくいる場所が屋外か屋内か、スポーツをする機会が多いか否かでも、補聴器の選択が変わってくることがあります。
そのため、「いつ」「どこで」「どのように」補聴器を使うのか、購入前に考えておくことが大切です。目的にあった補聴器を使うことで、より快適な「聞こえ」を実現しましょう。
⑥ 試着はじっくり、しっかりと
さまざまな種類がある補聴器。自分に合った種類を選ぶためにも、じっくり試着することが大切です。メガネと同じように補聴器も「フィッティング」は欠かせません。補聴器には、大きく分けると「耳穴型」と「耳かけ型」の2つがありますが、どちらが良いかは、好みや耳の形によって変わってきます。
耳穴型:耳の穴に入れて使う補聴器。目立ちにくく、コンパクト
耳かけ型:耳にかけて使う補聴器。耳を塞がずに使えるので、違和感が少ない
補聴器は朝起きてから夜寝るまで、長い時間付けておくものなので、自分にぴったり合うものをじっくり試着して決めましょう。
しっかり試してから使いたいのであれば、レンタルから始めてみるのもおすすめです。パリミキでは、月額6,600円から始められる補聴器のレンタルも行っています。
⑦ 相談や購入時には家族も同席を

耳の聞こえが十分ではない方の場合、店舗での説明を聞き取りづらいこともあるため、相談や購入の際は可能なかぎり、家族が同席するのがおすすめです。
また、補聴器の調整をするうえで、家族の意見がヒントになることもあります。本人は「問題なく聞き取れている」と思っていても、実際には、家族が「ゆっくり、はっきり話すようにする」「目を見て話す」などの工夫をすることで、滞りなくやりとりができている場合もあるためです。
普段の生活で、家族がどんな場面で「聞こえにくさ」を感じているのか、ぜひ店舗のスタッフにお伝えください。
⑧「医療費控除や「助成金」について知っておく
補聴器は医療機器です。購入金額によっては、医療費控除が受けられることがあります。医療費控除を受けたい場合、次のステップで進めることができます。
- 「補聴器相談医」の資格を持つ医療機関(耳鼻咽喉科)を受診。問診や検査を受ける
- 診断の結果、補聴器が必要と判断された場合には「診療情報提供書」を発行してもらう
- 「認定補聴器専門店」で「認定補聴器技能者」から補聴器を購入する
- 購入時に「領収書」を発行してもらう
- 該当する年度の確定申告で「医療費控除」の対象として申告する
※医療費控除の対象になるかは、医療機関での判断になります。
また、一部の自治体には「補聴器購入費の助成制度」が設けられているため、その点も購入前に調べておくとよいでしょう。
医療費控除、助成制度ともに利用を検討する際は、必ず最新の情報を確認してください。
補聴器の相談はパリミキへ
補聴器は慣れるまで多少の時間がかかりますが、理想の聞こえが実現できれば、会話やお出かけ、TVの視聴など、あらゆる時間をより快適に過ごせるようになるはずです。
パリミキの店舗には、全国で300名近くの認定補聴器技能者が在籍しています。聞こえにくさのサインを感じたら、まずは医療機関に相談のうえ、近隣の店舗へお気軽にご相談ください。
- 取材:文=つるたちかこ
- 編集=高橋亜矢子(ノオト)