第三回「ロービジョン・ブラインド 川柳コンクール」
優秀作品及び入選作品発表

2021.03.29

2021年3月29日に第三回「ロービジョン・ブラインド 川柳コンクール」の優秀賞の発表をいたしました。

【応募総数】:2,610句

このコンクールは、視覚障害に因んだテーマを、視覚障害当事者だけでなくそれぞれの視点で川柳にして
社会全体で共感できることを目的としています。

作者解説

加齢とともに、心の目で見ることが多くなりました。これだけ長生きすると、あれもこれも心にクリアな映像として残っています。目の前が霞んでいても、心の映像が鮮明な画像を再現してくれます。

お名前:大阪のアン
部門:見えにくさを感じている方部門(ロービジョン)

作者解説

心の杖と白い杖、弱視から全盲に至る道のり、妻も白杖も長い間寄り添ってくれました。社会人としての使命を終え、充実した社会生活をしみじみ振り返っている昨今です。

お名前:夜の腸
部門:見えにくさを感じている方部門(ブラインド)

作者解説

私達の動きを、空気で感じ取っているかの様な発言をされます。

お名前:富士見
部門:メディカル・トレーナー部門(看護師)

作者解説

盲導犬の緊張が解けました。

お名前:ゆき
部門:サポーター部門(一般の方)

作者解説

先天性弱視なので、ずいぶん長い間見えるふりをして健常者に紛れて生きてきました。40歳を過ぎた頃から障害を受け入れ、いまでは視覚障碍者として生活しています。壁を乗り越えて気持ちが楽になりました。

お名前:夢々(むむ)
部門:見えにくさを感じている方部門(ロービジョン)

入選100作品はコンクールホームページをご参照ください。
視覚障害の日常やコロナ禍での生活。思いやりのある作品等、視覚障害者とその取り巻く人々の想いを垣間見ることができます。

応募作品を選句、審査させていただき、大変、勉強になりました。見えにくさを感じている方はこんな風に思っておられるのだなあ、専門職の方にはこんなご苦労があるのだなあ、世の中にこんな仕組みがあれば良いのになあ、などなど普段考えたことのなかったことに気づくことができました。
入選にはならなかったものの、気づきを与えてくれた作品をご紹介しましょう。

1.ロービジョン体験しなきゃわからない

タクシーを下りるとそこは植え込みだった
マスク顔声が頼りを体験し

2.なんとかしなきゃ世間の無理解

盲導犬拒否する店を拒否したい
社会から段差と差別なくしたい

3.なるほどね、逆転の発想

耳で見るあなたはきっと男前

4.言葉を使いこなして技あり

視覚へと刺客のような小さい字
視野欠ける人への配慮欠かさない 

5.驚くべき精神力に感動

くちびるで読む先生にはげまされ  (両手が不自由なためくちびるで点字を読む)

応募作品から、お困り事やご要望だけでなく、豊かに広がるロービジョンの世界も学ばせていただきました。
世の中に心優しい人はいるのですが、知らない、気がつかないことが多いのだと思います。ということは、一人でも多くの人に「ロービジョン・ブラインド川柳」を知っていただけたら、気づきが増えていくのではないでしょうか。そうして気がついてゆけば、見えにくさを感じている方が今よりももっと、より安全に安心して生活してゆけるに違いありません。

経歴:元NHKアナウンサー、NHK「俳句王国」司会10年、元『川柳マガジン』選者、元愛媛新聞月刊誌『アクリート』川柳欄選者
現在:日本農業新聞川柳欄選者、月刊俳句総合誌『俳壇』選者、愛媛CATV『八木健の川柳天国』主宰、愛媛CATV『八木健の俳句遊遊』主宰、滑稽俳句協会会長、俳句美術館館長、浪曲・虎造節保存会創立名誉会長
著書:『八木健の川柳アート』『平成の滑稽俳句』『すらすら俳句術』『教師のための俳句読本』

「ロービジョン・ブラインド川柳」は、見えにくさを感じている方のことや、世の中の無理解を、よりはっきりと見えるようにしてくれます。今回で三回目となるこのコンクールは、単なる文芸としての活動の枠を超え、大きな社会的意義をもって大きく育っていこうとしています。

ロービジョン・ブラインド川柳コンクール事務局

メール:lv-senryu@paris-miki.jp

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