提供したいのは「満足」の先の「感動エンターテインメント」
―最近のパリミキは、新しい形態のお店創りをどんどん進められていますが、どのような思いがあるのですか?
ECサイトによるネット通販の普及で実店舗は今まで以上に変化が必要な時代になっています。最近アパレルのお店を見ても面白く感じません。ものが飾ってあるだけで、どこの店もあまり大差がないんです。メガネ店も全く同じですよね。今の時代、お客様はマイナスをプラスにする補正用具から、さらに進化して、自分をアトラクティブにするアイテムとしてメガネを求められるようになってきています。その要望にお応えしなければなりません。
お店にいらしたお客様へのおもてなしで満足いただくのは小売としては当たり前なんです。もっと楽しんでいただくには、ただ単にメガネを販売するのではなく、価値を伝えて本物を持っていただく喜びを感じていただくこと、エンターテインすることで買い物をするという楽しみに感動していただくことなんです。そのためには舞台装置が必要になってきます。そのためにお客様によって店舗形態が違っていいと考えています。
お客様が思わず立ち寄りたくなる、
街を歩く人に合わせた大胆な店舗イノベーション
―お店によってかなり雰囲気が違いますよね。
1979年に創業した渋谷の店は、前を通る若者が一人も見向きもしなかった。若者にはサングラスを売りたいからともかく振り向いてほしい、そう思って、2010年に、50年代のアメリカングラフィティの世界観をコンセプトに創り変えました。そこにメガネをどうディスプレイするかを考えたんです。
音楽をテーマの一つに置いて、アメリカンダイニング調の空間にしてジュークボックスを置いたり、ステレオアンプもギターもビンテージものを飾ったり、舞台装置は本物でないとダメですから。

ネオンサインを入れるにも社内で反対されました。キャバレーじゃないって。新しいことに同意なんて得られない、ウチはメガネ屋という固定観念の塊があるんで、それを突き崩していったんです。
置いてあるものも、メガネだけじゃおもしろくないじゃないですか。だから、革ジャンや、ブーツ、ロレックスの時計とかありますよ。それで普通はサングラスの購入は3%くらいなんですが、この店では50%になりました。売上も2.5倍増です。
スタッフも店創りの演出に創意工夫
―お店のスタッフ創りについては、どのように工夫されたのですか?
そこが一番肝心なところです。舞台装置は作りました。当然見合った演出をする演者が必要です。社員にまずコンセプトを理解してもらって、あとは「君たちは演者だから演じなさい」「お客様をエンターテインしなさい」と。例えば音楽が鳴ったときに、ただ立っているんじゃなくて、それにノッて指鳴らして雰囲気つくるとか、本気でそう言いましたよ。そしてミュージシャンや役者の人をスタッフに加えました。
私が社長になって3年目ですが、まだまだ社員は戸惑っているような状態です。新しく入ってくる人にはエンターテインメント系の渋谷や原宿の店を見て応募してくる人が増えました。自分を売り込んでみて、と言ったら、ギターが上手いです、とかアピールしてきますよ。それでいいのだと思っています。
社長もアルバイトも店頭ではエンターテイナー
―お客様を喜ばせるためのアイデアはスタッフも考えるのですか?
最近では、店の演出はスタッフである社員やアルバイトが考えるようになりました。店の運営に関してはスタッフに任せているので。ハロウィンでこんな企画をしたいといったアイデアはアルバイトが出してきますよ。
―アルバイトもですか?かなりフラットな会社ですね。
バイトも社長もお客様にとっては同じなんですよ、店員の一人だと思っているわけじゃないですか。だから店頭に一緒に出ているときは、僕は社長じゃないですよ。皆にもそう言っています。アルバイトから、これやってくださいよ、って作業指示出されたりしますから(笑)そういう意味では、アルバイトだからという言い訳は逆にできないですよ。お客様を大事にするという姿勢は社員もアルバイトも同じですから。フラットな立場というのは昔からあるパリミキの文化なんです。

相手に興味を持とうとする姿勢が
お客様を喜ばせられるコミュニケーション能力に
―これからの人材には、どのような質を期待していますか?
やっぱり人間が好きなことですよね。目の前のお客様に興味を持てないと。それがどんな人であっても関心を持つことはすごく大事だと思います。我々はお客様を選べない。いろいろな方々が来られるので、たとえば、若いお客様がいらしたときにはどういうところを観察しているか、ご年配のお客様がいらしたときにはどのように話しかけるか、といった意識が持てるかどうか。相手に興味を持たないと知ろうとしないですよね。だから、理解しようとする姿勢は、コミュニケーション能力につながります。相手を理解していないと、自分がどう対応していかわからないですから。
あと、「人を喜ばせることが自分の喜びと思える人」が最もほしい人材ですね。つまり「喜んでいただいた笑顔を見ることが自分の幸せだと感じられる人」です。
パリミキらしさとは、満足のみならず感動を与えることですから、お客様を喜ばせる、笑顔を創れる会社になりたい。だから、お客様をニコッと笑顔にさせることが好きな人、それに尽きます。
多様なコンセプトでエンターテインメントビジネス展開するパリミキ
―自分の得意分野を活かしてお客様を喜ばせられるといいですね。
いまのパリミキは、エンターテインメントビジネスですから、人事はタレント事務所でいい。展示会でずっとマジックやっているスタッフいますよ、それでいい。
これからパリミキは新しい店をどんどん作ろうとしています。「CIRCUS」という業態では、メガネで遊ぼうというコンセプトで、TOYメガネや、おもちゃまで置いています。広島の店では、週末に地元バンドがライブを開催しています。僕もバンドで出ようと思ったら、3ヶ月待ちですよ、と言われましたよ(笑)。アメリカ村の店では、2階にBarを併設して、アルコールも出して、楽器屋さんとのコラボでワークショップもやったりしています。最近では、郊外で「Cafe併設店」も展開中で、子供の遊び場があってテラスでコーヒーが飲める。メガネを購入した会員さんは100円で飲めます。毎日お孫さんを連れて来てコーヒーを飲みながら遊ばせているシニアのお客様もいます。
パリミキはメガネ屋が原点ですから、そこに重点を置いた店については、19世紀終盤のパリ全盛期、ベル・エポック期を再現して、アンティークなヨーロッパ調の店装に改装を進めています。


パリミキで、自分のやりたい!の自己実現を
―最後に、未来のパリミキスタッフへのメッセージをお願いします。
自分がなにをやりたいかを明確に持っていると強いですよね。ホールディングの会社ですから、メガネに固執する必要はないので、この会社で自分のやりたいことを自己実現してほしい、というのが僕の願いですね。昔はメガネ屋だったけどね、という感覚でまったく問題ないんです。「自分はこういうことやりたいんだ!」という情熱を持っていて、社長の僕を驚かせてくれるくらいの気概のある人が来てくれると嬉しいですね。
―ありがとうございました。
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