明るさで色が変わる「調光レンズ」ってなに? 普段の生活で使ってみたら
2024.05.27
更新日:2025.09.29

「まぶしさ対策」として真っ先に思い浮かぶのがサングラス。しかし、掛け外しの手間や、色付きレンズにハードルの高さを感じている人も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、紫外線を受けて色が変わる「調光レンズ」。メガネとサングラスを併用したいという希望も叶えてくれる優れものです。
日常使いをする人が増えているという調光レンズは、生活のなかでどのように使うことができるのでしょうか? 実際に体験してみました。
調光レンズとは?
調光レンズとは、紫外線を受けて、透明だった状態から濃い色へと変色していく機能を持ったレンズのことです。屋内では透明のレンズが、屋外では日光を浴びて色付くことで、まぶしさから目を守るサングラスと同様の機能を果たします。
サングラスとの一番の違いは、紫外線を受けていない状態の調光レンズが、ほぼ透明であること。屋内に入ればレンズの色が変化するので、一般的なサングラスのように「外出時に掛け、屋内に入ったら外す」といった手間がありません。
また、調光レンズは、近視用・遠視用・遠近両用など、普段使っているメガネのように度付きにすることが可能(※一部非対応のレンズもあり)。そのため、1本で屋内外を問わず幅広いシーンで活用できるのが大きな強みといえるでしょう。
もちろん、度なしのレンズでレジャー用のサングラスとして楽しむこともできます。
調光レンズ、実際に使ってみたら……
そんな調光レンズを使用したメガネ(サングラス)は、日常生活の中でどのように活用できるのでしょうか。実際に使ってみました。使用したのは、紫外線を受けるとグレーに変化する調光レンズです。

使ってみて感じたのが、「掛け外しが最小限」なことによる、想像以上の快適さでした。
例えば、日差しを避けるためにサングラスをかけて外出した場合。屋外から電車や建物の中に入る時など、その時々のまぶしさにあわせた、サングラスの「掛け外し」を手間に感じたことがある方もいるのではないでしょうか。外したサングラスをどこにしまえばいいかわからない……なんて場合もあるかもしれません。
しかし、調光レンズであれば、「気がついたら、レンズの色が変わって見え方が楽になっている」という感覚です。
特に屋外に出た時の変化がスムーズでした。レンズの着色にかかったのはわずか数十秒。退色(着色したレンズが透明に戻ること)には数分かかりましたが、不便には感じませんでした。
「屋外と屋内」の行き来が多いシチュエーションほど、調光レンズのメリットを強く感じることができそうです。さまざまなステージを行き来する音楽フェスや、 “しっかり見る”ことを特に重視したい旅行や観光といったお出かけでも役に立つでしょう。
「屋内ではレンズの色が薄い」ことにも、メリットを感じる人がいるかもしれません。
猛暑の影響などもあり、年々需要が増しているサングラスですが、なかには「話している人が、サングラスをかけていると緊張する」「会話する相手の目が見えている方が安心する」と感じる人もいます。
そんななか、紫外線が少ない場所ではレンズの色が薄くなる調光レンズは、「まぶしさから目を守りたい」と「コミュニケーションを取る相手を緊張させたくない」、2つの要望を叶えることができます。
調光レンズのおすすめ利用シーン
掛け外しをするストレスがなく、快適に使える調光レンズ。実際にかけてみた印象を踏まえ、おすすめの利用シーンをまとめました。
- 普段の生活(屋外に出る機会が多い人に特におすすめ)
 - 音楽フェスや旅行、ショッピングなどの外出
 - ツーリングやサイクリング
 
そのほかにも掛け外しをせずにメガネとサングラスを使いたい時、幅広く活用ができるでしょう。
調光レンズを使うときの注意点

さまざまなシチュエーションで使用可能な調光レンズですが、その機能がゆえに、使用にあたって注意が必要なこともあります。
気温が高いと色付きが薄くなる傾向がある
調光レンズは、温度が高くなると発色が抑制されます。そのため、気温が高い夏の時期などには、紫外線が強くても、色付きが薄くなる傾向があります。
退色に数分時間がかかる
調光レンズは、着色する際は数十秒ほどで色が変わりますが、退色には、数分ほど時間がかかることが多いです。そのため、ビジネスシーンや冠婚葬祭など、シチュエーションよっては不向きな場合があります。
時間経過に伴い調光機能が劣化する場合がある
時間経過に伴って調光機能が劣化する場合があることを、調光レンズを使用する際には覚えておきましょう。長持ちさせておくためには、ケースに保管するなど、使用時以外は紫外線に触れさせないようにする工夫をするのがおすすめです。
自動車の窓は紫外線カット機能付きの場合が多い
自動車のフロントガラスは紫外線をカットする機能を持つ場合がほとんどであるため、調光レンズによっては、車内では色が大きく変わらないことがあります。ドライブ中に使いたいのであれば、一般的なカラーレンズにするか、紫外線だけでなく、可視光でも色が変わる機能を持つ調光レンズを選ぶようにしましょう。
調光レンズと偏光レンズの違いとは?
調光レンズと似た名前のレンズに「偏光レンズ」があります。この2つは、字面こそ似ていますが、性質は大きく異なります。
| 調光 レンズ  | 
			偏光 レンズ  | 
		|
|---|---|---|
| まぶしさを 和らげる  | 
			○ | ○ | 
| 紫外線の量で レンズの色が 変わる  | 
			○ | × | 
| 紫外線を カットする  | 
			○ | ○ | 
| 照り返しや 乱反射を防ぐ  | 
			× | ○ | 
| 屋外で使う | ○ | ○ | 
| 屋内で使う | ○ | × | 
先に記したような紫外線の量でレンズの色が変わる機能は調光レンズの特徴。一方で照り返しや乱反射を防ぐ機能は調光レンズには備わっていません。
偏光レンズは、レンズの本体に特殊なフィルムを挟み込むことで、路面や水面、芝面、ビルからの反射など、まぶしいと感じるギラつく光を抑え、視界をクリアに保つことができます。例えば下記のようなシチュエーションで活躍するでしょう。
- 車でのドライブ
 - キャンプ
 - 釣り
 - ゴルフ
 - ウインタースポーツ
 
一方、偏光レンズは色が入っているため、屋内でかけることには向いていません。
詳しくはこちら
▼偏光サングラス、どんな時に役に立つ? 「まぶしさのストレス」緩和を通して得られるメリットとは
https://www.paris-miki.co.jp/feature/20230801183742.html
なお近年では、偏光と調光、両方の機能を持った「偏光調光レンズ」も販売されています。
調光レンズが気になったら、「トランジションズ」のレンズを
パリミキでは、調光レンズのパイオニア「トランジションズ」をご用意しています。
発色と退色のスピードが特徴のトランジションズのラインナップは3種類。まずは調光とUVカットの機能を兼ね備えた「トランジションズGEN S」。8色のバリエーションからレンズカラーを選べるので、サングラスのレンズカラーにこだわりがある人にもおすすめです。
ドライブ中でも使用したいなら、紫外線だけでなく可視光でも色が変わる「トランジションズ エクストラアクティブ ニュージェネレーション」。照り返しから目を守りたいときには、偏光と調光の機能を併せ持った「トランジションズ エクストラアクティブ ポラライズド」が最適です。
トランジションズのレンズは、お好きなフレームと組み合わせて使うことができます。また現在使用しているメガネのレンズとトランジションズに交換することも可能です。(※フレームの状態によっては、交換をお受けできない場合もあり)
新しく調光レンズのメガネを作りたい人も、今あるフレームを生かして調光レンズを楽しみたい人も、詳しくは店舗のスタッフにお気軽にご相談ください。
- 編集=ノオト