災害時はメガネで「見える」を守ろう 持ち出し袋に加えたい防災用メガネ
2025.01.13

防災意識が高まっている昨今、皆さんは「もしも」のときに備えて、どのような準備をしていますか? 非常時の持ち出し袋を用意して備えがばっちりの方であっても、意外と忘れがちなのが「メガネ」。普段メガネやコンタクトレンズをご使用の方は、万が一のことが起きた時のために、災害用のメガネを準備しておくことが大切です。
災害時にはたくさんの情報が飛び交います。正しい情報を自分の目で確認するためにも、メガネは欠かせないツールでしょう。周囲や足元を確認し、避難時に自分の身の安全を確保したり、避難ルートや避難所に関する災害時の情報を確認するうえでも、「しっかり見えている」状態が必要不可欠です。
「いつもメガネをかけてるから大丈夫」と思っていても、いつやってくるかわからない災害に備えておくことが大切。今回は、メガネやコンタクトレンズユーザーが、どのように災害に備えることができるか、詳しくご紹介します。
災害時「自分に合ったメガネ」はすぐ手に入らない
ほとんどのメガネは近視や乱視、左右の視力のずれといった「使用する人の視力に合わせて」オーダーメイドで作成されているもの。
一般的な生活用品や避難器具とは異なるため、災害がおきた際、自分の見え方に合ったメガネをすぐに作製・手に入れることは、難しくなってしまう場合がほとんどです。普段メガネやコンタクトレンズを使用している人は、災害時のメガネは自分で用意しておくようにしましょう。
コンタクトユーザーもメガネの備えを
普段はコンタクトレンズを使っている人の場合は、(災害時に関わらず)コンタクトを外した後にかけるメガネを準備しておくことが推奨されています。

災害時および避難所では、断水によって水道水の供給がストップしてしまうことがあります。身の回りの衛生環境を保ちにくくなるだけでなく、レンズを着ける際に手を洗うことができなくなる場合もあるでしょう。加えて「睡眠不足でレンズが入れられない」など、コンタクトレンズ使用に適さない環境が続くことも。普段と異なる状態で無理をしてコンタクトレンズを使い続けることで、感染症など、別のトラブルが起きてしまうことも考えられます。
「ワンデーのコンタクトレンズを、数日分用意しておく」「洗浄液や保存液も一緒にストックしておく」等の備えも可能ですが、あらかじめ、掛け外しが楽なメガネを持っておけば安心です。
夜中の災害や、被災時のメガネ破損リスクを考える
地震や台風など自然災害はいつやってくるかわかりません。もし、就寝中などメガネをかけていない時に地震が起きたら? あるいは、避難中にメガネが壊れてしまったらどうなってしまうでしょう。災害によって、いつもかけているメガネが使えなくなってしまう可能性はゼロではありません。
これまでも、深夜や未明に起きた地震で、避難時に慌てて家を出てメガネを忘れてしまった結果、避難や、避難所での情報収集に苦労する方がたくさんいました。寝ている時にも、可能であればハードケースに入れ、手の届く位置に置いておくのがおすすめです。「メガネは、常に身につけているから大丈夫」と考えず、持ち出し袋の中に常備しておくなど、準備を怠らないようにしましょう。
「非常用メガネ」を用意しよう
普段からメガネやコンタクトレンズを使っている人は、普段のメガネの他に、災害時に使用するための「非常用メガネ」を用意しておくのがおすすめです。具体的に、どのようなメガネを用意しておくのが良いのでしょうか。
非常用メガネを持ち出し袋に入れておく

非常用メガネは、可能であれば、いつも使っているものと近い感覚で使用できるメガネを1本、災害時の非常用持ち出し袋の中に備えておくのが理想です。
普段のメガネと同じ度数で用意するのが難しい場合は、以前使っていたメガネを防災用とするのでも大丈夫。以下の3点に注意して、予備メガネを用意するようにしましょう。
- 自分にあった度数のレンズであること
- 自分の顔にあわせてフィッティングがなされていること
- その他、平時にかけても問題なく使用できるメガネであること
非常用メガネは、普段のメガネとともに定期的なメンテナンスができているとなお安心。持ち出し袋に入れる際には、メガネが壊れにくいようハードケースで保管しましょう。
非常用メガネはどうやって準備する?
予備のメガネを持っていない人は、万が一に備えて、同じ度数で複数本のメガネを準備しておくのも良いでしょう。こうすれば災害時だけでなく、平時の「メガネを壊してしまった」なんて時にも安心です。
また以前に使っていたメガネがあれば、今の見え方にあったレンズに交換することで、災害時のメガネとして活用することもできます。ご自宅に眠っているメガネがあれば、ぜひ予備用のメガネとして生まれ変わらせてみましょう。
メガネとともにあると安心なアイテム
メガネとともに入れておくと安心なのが、メガネのケア用品です。
大規模な災害では、瓦礫の粉塵などが発生し、メガネも汚れやすくなります。災害時には「水」が貴重な資源となるため、メガネを洗うことも難しくなるでしょう。メガネクロスに加えて、曇り止めやクリーナーも準備しておくのがおすすめです。
また、忘れがちになってしまうのが「老眼鏡」や「ルーペ」。普段はメガネを掛けていなくても、新聞や本を読む時に既製老眼鏡やルーペを使用されている方の場合、いつも使っているものと同じ度数の既製老眼鏡・ルーペを持ち出し袋に入れて備えておくことができます。
情報源であるスマホや避難所の掲示板が「見えない」のはストレスになります。必要な情報を正確に見て確認できるように、持ち出し袋に備えておくことが大切です。
自分のメガネの度数を控えておこう
加えて手元に控えておくと良いのが、自分の視力と必要なレンズの度数です。もし災害時にメガネを破損してしまっても、レンズの度数(遠視、近視、乱視、老眼など)がわかれば、お店が復旧し次第、すぐに自分のメガネを作ることが可能に。
日頃から当たり前に使っているメガネですが、万一の時には命を守る大切な命を守る大切なアイテムになります。いざという時に備えてご自身の度数をスマホのメモに残しておいたり、持ち出し袋のメガネとともに保管しておきましょう。
パリミキでは、無料で視力測定を行っています。「自分が使っているメガネの度数を把握できていない」などメガネの度数情報を調べたい時などお気軽にご相談ください。
- 取材:文=つるたちかこ
- 編集=ノオト